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死 ~ 断章 作品1番-2番
死 ~ 断章 作品1番-2番

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5th Single 2022.6.4 DOWNLOAD&STREAMING DOWNLOAD ¥150円~(配信サイトによる)

死 ~ 断章 作品1番-2番(DEATH ~ bagatelle yn1-2)

 

  1. 死 ~ 断章 作品1番-2番(DEATH ~ bagatelle yn1-2)

【解説・作品1番】

タイトル通りですがこの曲は「死」をテーマに作曲しました。
私は無類の動物好きです。何か特別な知識があるわけではありませんが、社会問題を考えるときには「人間の都合」のみの視点ではなく、地球は人間だけで成り立っているわけではない。ということを念頭において考えることにしています。
2021年日本の犬猫殺処分ワーストは長崎県です。被爆都市として世界にメッセージを伝える責務がある県が、一方で動物の命を軽んじているという結果。これはあまりにも世界に対して恥じるべき記録であると言わざるを得ません。
野良猫への餌やりを悪とする、避妊手術をしない飼い主を無責任とする、それでこの問題が解決することはないということが、結果として証明されたわけです。
小さく弱い命も等しく人間と同じ命です。殺処分により亡くなる命は「自然界での死」とは根本的に異なるものです。
観光に力を入れるのも結構でしょう。市や県はもとより国全体の問題として、そして制度として、殺すのではなく守ること、共存していくためのルール作りを。そしてその制度が機能していれば、100パーセントには届かずとも、一応の成果が出るまで何十年とはかからないはずです。
犬や猫の寿命は長くても10年か15年、野良猫の寿命はもっともっと短いのですから。

 

【解説・作品2番】

「死と生」それは何時如何なる時も常に隣り合わせである。
かつて、私はある病室で自身に迫る死というものに初めて直面した。
自分の命の火がたった今、目の前で消えようとしている。
若かった過去の私はどこか死に対してタブー感のある暗いイメージに…
ある種の神秘性と畏怖的だがナルシズムに依った幻想を抱いていた。
私は病んだピアニストであると。
だが、実際の死はそうではなく…
死はとても静かなのだ。
気がつけば其処にいる、背後にスッと静かに忍び寄る。
まるで昔から一緒にいたかのように、当たり前のように、そして自然に、気がつけば其処にいるのだ。
人間は結局は誰もが一人で産まれ一人で死んでゆくとはよく聞いた話だ。
しかし、私は疑問に思う。
精神と肉体は1つずつ全ての人間に与えられたものである。
他者との共有は不可能であり、個体として存在する故に人間は必然として一人ということになる。
つまり一人、双生であろうと変わりはしない。理屈では確かにそうだ。
だから、私は疑問に思うのだ。
「死と生」それは何時如何なる時も常に隣り合わせである。
あの日、死は耳元に優しく囁いた。
私が生きてきた生涯、人生、人間はどうして何故に何のために必死に生きるのか。
それは私が生きた日に本当に望んでいたもの。
教えてくれたのは誰でもない、「死」である。
死と共に産まれ、死と共に生きて、死と共に命を全うする。
死はタブーではない。
死は神秘でも幻想でもない。
死は生である。
死の存在に気づくことで生を知る。
かけがえのない自分を知る。
今を生きることの大切さを知る。
そして、実のところ…
私は別に病んではいないピアニストである。

 


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